きりばな

きりとはなえの交換日記

4月28日

はなえさん、こんにちは。

最近はこっちも春らしい陽気で、暑くなってきたなあと思っていたところだったのですが、今日は一気に気温が落ちた雨の日です。寒いくらい。まだ自律神経がなんとなくおかしいので、雨の日になるとぼんやりしてしまって何もやる気が起きません。困ったなあ。

 

後輩との付き合い方、ということで、わたしが前の職場にいたとき、高卒の人たちに混じって仕事をしていたので、年齢的にはわたしより年下なんだけど年次としては先輩、という人たちがたくさんいました。今は大卒の人たちばっかりで、年齢と年次が一致している人たちばかりなので感じなくなったけど、あのちぐはぐな感覚は当分忘れないだろうなって思う。向こうも年上なのに後輩だったわたしに対して複雑な気持ち持ってたんじゃないかな。そのときの先輩は、会社のなかではすごく仕事もできて、教えてもらうことがたくさんあって尊敬してたんだけど、でもわたしみたいに大学を出たわけじゃないから本当に会社のことしか知らないっていうか、お昼ごはんのときに話していてもああ世間知らずだなあと思うことがたくさんあって、そのジレンマに悩まされていました。先輩なのに年下、人生経験に上下もないけど、やっぱり視野の広さは経験の多さに比例するものだと思う。その人たちが、行ったことのない大学っていうものに対して必要以上に憧れを抱いてたりしてたのもしんどかった。「やりたいこと」っていう言葉をすごくよく口にする人たちだった。でも、大学行ったからってやりたいことがピンポイントで見つかる人と見つからない人がいるし、そもそもやりたいことって、何だよ?!とこっちが頭を抱えたくなっちゃって。今思えばしんどかったなあと思います。でも、わたしがもし逆の立場だったとしたら年上の後輩をしっかり面倒見れる自信がありません。笑 後輩でも先輩でも、付き合い方って難しいですよね。

 

自分の考えを肯定したくて書く、というのは自分でもうまく説明ができないんだけど、書くことによって「ああ自分ってこんなこと考えてたんだ」とか「本当はあのときこうしたかったんだ」ていうのを確認したいんだと思います。それから、自分の考えを文章にすることによって、何か形がなかったふわふわしたものが文字っていう形のあるもの、あとに残るものに変わるわけだから、「自分がちゃんと何かを残せた」っていう実感が欲しいのかも。読んでくれる人のことはあんまり考えてないかな。でも共感してもらえるとやっぱり嬉しいです。「ああ、わかるこの気持ち」って思ってもらうのが文章書いてていちばん嬉しいことかなあとも思う。はなえさんは、どう思ってもらうのがいちばん嬉しいですか?

 

もうすぐ東京文フリです。もう、こんなこと言っちゃあれだけど、行きたくなさがすごい。笑 なんだろう、先週まではまだ楽しみにしてたのに、一週間前くらいになってじわじわ心が重くなってきました。売れるかなっていう心配もあるけど、どんな人と会うんだろうっていう恐怖がすごい。もともとすごく人見知りなのと、「あ、この人苦手だ」って思うと一瞬で心のシャッターが閉じてしまう性質の人間なので、合わない人に会うのが怖いです。あと男性のお客さんがどうしても苦手なんだよね。何を話しかけられても困ってしまいます。買ってくれることとか興味を持ってくれることはすごくありがたいことだとは思うんだけど、どうしても苦手意識が先に出ちゃう。あと、twitterで繋がってる人たちに会いに行かなきゃと思うとこれも地味に心がしんどい。だったらずっと座ってろよって感じだけどそうもいかないとは思ってるんだよね。欲しい本や会いたい人もたくさんいるはずなんだけど、今まで出てきた文フリの中でいちばん行きたくないかも。なんか、今自分の調子があんまりよくないからかな。自分の調子が悪いと周りがみんなわたしより輝いてるっていうか充実してるように見えて、いつも隣の芝は青いのにますます青く見えるって感じ。笑 人と比べすぎるのもよくないとは思ってるんだけど...。なんか、楽しみになるこつとかないかな。

 

ご家族も小説を書いてること知ってるんだね。うちもみんな知ってる。わたしは弟とすごく仲がいいんだけど(わたしが一方的に好きなだけかもしれないけど笑)、彼にもいつも小説を読んでもらっています。母もいつも読み終えると感想を言ってくれたりします。でも、やっぱりお父さんには見せられないなあ。お父さんが絶対的な存在っていうの、なんかわかります。なんか、他の家族にはない「入り込んではならないもの」っていうのを感じるかも。お父さんにはひとりでどんと立ってて欲しいっていうか。わたしもお父さんに踏み込まれたくないし、お父さんもわたしに踏み込んでほしくないって思ってると思う。どれだけ仲良く会話ができたとしても、ちょっと違うかなって感じはします。あと、うちのお父さんは優しくはあるけど根本的に人の気持ちがわからない人なんだと思う。笑 どれだけわたしを慰めようと言ってくれることも全体的にピント外れだし、そういうことを言われたいんじゃないよ!と言いたくなる。悩みを相談してもピント外れなので、母によく話します。母の方がわたしの考えに寄り添ってくれる。笑 家族の物語はわたしもいつかまたきちんと書きたいなあって思います。家族って、すごく不思議な共同体だと思うんですよね。血で繋がってるものというか、人の力が及ばないところで一緒にされているものって感じがする。その力の大きさの果てしなさっていうか、つながりの深さっていうものを、また書きたいなって思っているところです。

 

レヴぇナント、観に行きましたよ。ぜひ、映画館で観てほしい映画だなって思います。わたしは昔からレオナルド・ディカプリオの大ファンで、それで観に行ったんだけど、レオに興味がなくてもあの映像を見てほしい。すごく自然の姿が雄大で、あの自然の姿を見せるために作られた映画なんだろうなと思います。すごく台詞が少なくて、とにかくレオが極寒の自然に苦しみながら立ち向かっていく2時間なんですけど笑、見ごたえはばっちりです。わたしも観終わったあと疲れちゃって疲れちゃって、ずっと頭が痛かった。笑

ファイト・クラブはわたしもまだ観たことがないんですけど(観たいなあ)、同じデヴィッド・フィンチャーの映画で「ゴーン・ガール」ていう映画があって、これもすごくおすすめです。完璧に計算されたサスペンスです。ここまでやるか?!って感じの展開なんだけど、飽きずに見れると思います。結婚って、怖いな...と思うと思う。笑

 

きり